神様ノ子守唄

-Character-

三木原光吉《みきはらみつよし》 　この物語の主人公。 　平凡な毎日を過ごすことを至上の喜びと思っているが、気がつけば騒動に巻き込まれているのは天性の資質か、その性格がなせる技か。 　常日頃から適当に過ごしていた彼だが夏休みに入ってからは更に悪化、とことん自堕落な生活を続けており、たまの外出は気紛れの散歩か煙草の買出し。今日も今日とて煙草が切れた彼は、久々に町へと繰り出した。 　先の事件で駆使した勘は今回も健在。 　事あるごとに発現するが、最近はそれに従う自分自身に疑問を感じ始めている。

境《さかい》まどか 　近隣の大学に通う女子大生、年齢不詳、浪人は禁句、留年とか言うな。 　代々『禁呪』を守り続けている霊能者の家柄で、彼女自身も霊能力者。その禁呪をめぐる抗争の最中、不思議な霊と出会うところから物語が動き出す。 　ぶっきらぼうでガサツな姉御肌。 　格安コーヒーを愛飲する貧乏学生とは本人談だが、出費項目のメインが煙草の時点で貧乏を名乗る資格は無い。

？ 　空き地でまどかと出会った男の霊。 　気が弱く、あまり自己主張をしないタイプ、流されやすいところがあり本人もそれは気にしている。 　生前の記憶を失っており、まどか曰く彼の死に様が原因らしい。 　普通に生きていればありえない戦いの記憶。 　原因となったそれこそが、過去を見つける鍵となる

鬼封院零夜《きふういんれいや》 　まどかの禁呪を狙っている霊能力者。 　物腰穏やかで言葉も丁寧、一見する限りは常識人。 　霊能者の名家である『鬼封院』家の長男で、その全ての技術を会得しているただ一人の人間。 　許婚であるまひるを溺愛しており、彼女が絡むと周りが見えなくなる。

鬼封院《きふういん》まひる 　零夜の許婚。 　儚げな存在感と透明な眼差し。 　大人しく、言葉を発する気配さえも見せないが零夜との意思疎通は完璧。 　なお、鬼封院の苗字は自称であり零夜曰く「まだ籍を入れられる年齢ではない」との事。

柏木正義《かしわぎせいぎ》 　純朴で便利な新米刑事。 　刑事ドラマやそれに出てくる登場人物に憧れる純粋野郎、目を覚ませ。 　春先の事件にて光吉と知り合い、その後は事有る度に無理難題を押し付けられているが、文句と苦言を呈しながらも光吉に従う辺りしたっぱ根性が染み付いている。 　最も、それさえも彼の正義感から来る『力強い正義』への信頼そのものかもしれない。

奈乃子 　愉快で素敵な吐血娘。 　夏休みに入ってからは街をブラブラしたり家でゴロゴロしたりと悠々自適に暮らしている。 　のほほんと生きるその様と容姿からは想像もつかない程に見事な吐血を得意技（？）としており、その後のリカバリーも神技の一言。 　そんな事が続いた結果誰一人として心配するものは居なくなったが、そんなものの有無は関係無しに今日も彼女は吐血する。 　夏場は血を吐きやすいらしく、貧血も相まって苦労しているとは本人談。

？ 　 　 　 　 　 　 　――さあ、物語を始めましょう？

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